日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
ペニシリン療法により精神症状が改善した進行麻痺の1例
平沢 秀人浅川 理小山 恵子高橋 祥友渥美 義賢熊倉 徹雄
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1994 年 31 巻 10 号 p. 811-814

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抄録
症例は, 59歳男性, もの忘れ・性格変化を主訴に受診. 神経学的には眼症状を含め特に異常なく, 精神医学的には落着きのなさ, まとまりのない会話, 記銘力低下を主とした痴呆などを認めた. 血清, 髄液のTPHA陽性, 髄液の細胞数, 蛋白量増加, FTA-ABS陽性などから進行麻痺と診断. ペニシリン治療は, 2クール行ったが, 2クール目は大量療法を行った. 治療後, 髄液所見は改善, 軽度痴呆が残遺したものの精神症状も著しく改善した.
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