日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
播種性血管内血液凝固症候群を合併した孤立性腸骨動脈瘤の1例
市原 寿江美馬 伸章赤池 雅史東 博之重清 俊雄齋藤 史郎
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1995 年 32 巻 12 号 p. 822-824

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抄録

84歳, 男性. 右上顎第二大臼歯を抜歯後に止血困難となり, 当科に紹介された. 止血検査で血小板減少 (2.2×104l), FDP-E (3,172ng/ml), Dダイマー (42.6μg/ml), トロンビンーアンチトロンビンIII複合体 (48.0ng/ml) およびプラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体 (6.8μg/ml) の増加が見られ, 腹部CTで両側総腸骨動脈に最大径4cmの動脈瘤が認められた. 両側総腸骨動脈瘤による播種性血管内血液凝固症候群 (DIC) と診断し,ヘパリン (10,000単位/日) 投与によってDICが改善された後, Yグラフト置換術を施行した. 本例はDICを合併した孤立性腸骨動脈瘤の世界第2例目である.

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