日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
痴呆の早期診断, 薬物療法と長期フォローアップ
武地 一
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2002 年 39 巻 3 号 p. 282-285

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抄録
介護保険制度の開始とアルツハイマー型痴呆症治療薬の日本での発売開始がきっかけとなって以前にも増して痴呆症の早期診断の必要性が唱えられるようになってきた. 早期診断のためには従来一般的に使われてきた評価スケールや画像診断だけでは必ずしも十分とは言えない. また, 早期診断を行う上で, 疾患概念としても最近軽度認知機能障害 (mild cognitive impairment; MCI) という診断がトピックとなりつつあるが, 日本では一定の基準に基づいた報告がほとんどなく診断名だけが一人歩きする傾向にある. 類似の疾患概念として benign forgetfulness, age-associated memory impairment (AAMI), isolated memory impairment, age-associated cognitive decline (AACD), NINCDS-ADRDAの possible ADなどがあり, どの疾患概念あるいは診断基準が将来的な痴呆への進行を, より良く予想するのかという研究が欧米でも進んでいる. 少なくともMCIという言葉を使う時, その病態をどのように定義しているか明らかにすることが必要であろう. 早期に診断することにより, 従来よりも更に長期, 特に軽症期のフォローアップが必要となってくる. また, 早期の場合は痴呆症という診断名を使うことに対する抵抗も大きい. このため, 早期診断, 早期治療にあたっては新しい概念や枠組みが必要とされていると言えるだろう. このようなことをふまえて, 診断開始時から医師と看護婦, 臨床心理士, 作業療法士, ソーシャルワーカー等がチームとなりアプローチすることが重要である.
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© 社団法人 日本老年医学会
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