1972 年 9 巻 5 号 p. 271-278
糖尿病患者におけるTGの日中変動につき検討し, 次の結果を得た.
1) TGはam 7.00がもっとも低く, pm 2.00に peak を有する一相性の山形の変動を示した.
2) Am 7.00のTGの値と日中の最高値との間に著しい正の相関を認めた.
3) 血糖の変動とTGとの間には, なんら相関を認めなかった.
4) 肥満ではTGの上昇度が著しく, るいそうでは少なかった.
5) Insulin の使用者では, 非使用者に比べてTGの上昇度が著しかった.
6) これらのTGの変動は単に外因性の chylomicron が変動するためではなく, endogenous TGそのものが変動していることを確かめた.
以上の結果から, 糖尿病における高TG血症の genese に及ぼす Insulin の役割につき考察した.