遺伝学雑誌
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X線處理によつて生じたフキバツタの四倍性精母細胞
牧野 佐二郎
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1939 年 15 巻 2 号 p. 80-82

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抄録

X線にて處理せるフキバツ??攀??椀?? (Podisma mikado) 3個體の精巣内に四倍性の精母細胞が多數見受けられた。正常細胞に混じて見出される場合もあ??攀??椀?? (第2-3圖), 又1個??攀??椀?? cyst 全部が四倍性細胞なる事もあ??攀??椀?? (第1圖)。四倍性第一精母細胞の染色體數22 (正常の場合の2倍で, 多價染色體の形成はない) で, X 染色體は2個存在するが決して接合することなく, 第一分裂では機會的に分離す??攀??椀?? (第4及び6圖)。第一, 第二分裂を通じて染色體の分裂行動には異常なく, 結局四倍性精子細胞が作られるやうである。2個のX染色體が第一精母細胞の成長期を通じて接合せず異常濃縮をなして存在することは性染色體の異常濃縮現象を考へる上に參考となる。

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