抄録
1. 筆者等は元滿洲國農事試驗場に於て錦州一號及錦州二號なる陸地棉の新品種を育成せり。
2. 錦州一號は關農一號×GoochのF7に於て成立せるものにして, 標準關農一號に比し開絮期5日早く, 繰綿歩合5%高くして40%に及び收量は繰綿に於て1~2割多し。滿洲に於ける陸地棉の北方向き品種として奬勵さるべきものなり。
3. 錦州二號は關農一號×Acala のF8に於て成立せるものにして, 標準關農一號に比し開絮期は同一なるも一〓實棉重大にして, 繰綿歩合前者同樣高く40%餘に及ぶ。收量は特に優秀にして繰綿に於て標準より2~3割餘多し。關農一號普及地帶全域に奬勵さるべきものなり。