遺伝学雑誌
Online ISSN : 1880-5787
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Failure of pairing of a particular chromosome pair in Trillium kamtschaticum Pall
Tutomu HAGA
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1952 年 27 巻 3-4 号 p. 72-74

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抄録
相同染色体の不対合の頻度は, 染色体の長さに逆比例的に増加する (第1表)。染色体構成がひじようにヘテロなオオバナノエンレイソウの様似個体群からとつた1個体は, 上にのべた染色体の長さと不対合の間の一定の関係を示さないものであつた (第2~3表)。オオバナノエンレイソウの染色体には著しい構造変異があることが退色反応によつて確められている (第4表)。これらの構造変異は, 相同染色体の対合に種々な影響を与えるものと考えられる。この不対合の現象から個体群研究をすすめることは, 染色体の形態からの個体群分析の裏づけとしてもひじように興味ぶかいものと考えられる。
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© The Genetics Society of Japan
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