抄録
1. +×H/Kp の交雑において組換により, HKp/++ の個体をえた. 組換価は0.7%であつた. H+/Kp と HKp/++ との表現型は異なる.
2. +×HKp/++ の交雑においても, 組換により僅かながら H と Kp とが分離する. この場合の組換価も亦0.7%であつた.
3. HKp/++ 同志の交配により, HKp/HKp, HKp/++ および正常の個体が分離する. HKp ホモの個体の表現型は HKp ヘテロの個体のそれと異なり, 「い形」斑紋が第4, 5, 6環節に重複して現われる.
4. +×HKp/HKp の交雑では HKp ヘテロの個体のみを生ずる.
5. HKp/++ の表現型が H/Kp のそれと異なつているのは, 遺伝子の位置効果によるものと見做される.
6. いわゆる E 複対立遺伝子群は真の複対立遺伝子群ではなく擬似対立遺伝子群に属するものと考えられる.
7. H と Kp とのいずれが第VI染色体の端部に座位するかを見るため, 両遺伝子と Nc との組換価を調べたが, H と Nc との交叉価の算定が困難なため, 目的を達しえなかつた.