2015 年 71 巻 4 号 p. I_1-I_12
地震観測に基づく都市ガス供給遮断システムを「k-out-of-n遮断システム」と定義し,東北地方太平洋沖地震における第1次緊急停止判断を事例として,観測SI値とブロック供給遮断確率の関係を表す機能的フラジリティ関数を,対数ロジスティック分布を用いて構築するとともに,k-out-of-4遮断システム(k=1, 2, 3, 4) とした場合の結果の相互比較を通じて,そのシステム特性を明らかにした.またリサンプリングを復元抽出・非復元抽出としたbootstrap法により,仮想的な k-out-of-n遮断システムを多数生成して供給停止シミュレーションを行った.供給停止割合の平均値と標準偏差の比較を通じて,多様なシステム形態および地震観測体制の下での運用方法について有用な知見が得られた.