抄録
5-bromouracil によるフキバッタ Podisma sapporense の精母細胞染色体の影響を細胞学的に観察した。
1. 最も多く観察された形態的異常は染色体の切断であり, 第2減数分裂時の染色体に限って観察され, 処理後20~60分の比較的短い間に良くあらわれた。
2. 切断部位は比較的一定性を示し, 同じ染色体の同じ部位が, また一般に紡錘糸着点寄りの4分1の附近に高頻度で現われる傾向を示した。
3. 切断のある染色体は分裂後期でも切断部位からはなればなれになることはなく, あくまでも1本の染色体として極へ向かう。
4. 細胞の分裂頻度は薬品による処理が長く続いた精巣ほど減少の傾向にある。