遺伝学雑誌
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家蚕における新突然変異 “過剰半月紋退化腹肢” 遺伝子
蒲生 卓磨
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1965 年 40 巻 3 号 p. 219-226

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抄録
1. 実用品種「昭光×栄華」に見いだされた過剰半月紋蚕の発現様式およびその遺伝を調べた.
2. 第6染色体のE偽対立遺伝子群に所属することが判明したので, これを過剰半月紋退化腹肢 (EDl: extra-crescents and degenerated abdominal legs) 遺伝子と命名した.
3. hetero 型は第6環節に不完全な半月紋を現わし, その浸透率および発現度は遺伝的構成の影響を受けるもののようで, 正常斑紋の日本種系統と交雑した場合に高い浸透率を示した.homo 型は第6環節に過剰半月紋を有するが第8環節の星紋および第6環節における第1腹肢あるいはその鈎爪を欠く.
4. 腹肢の欠如は劣性であるが, 過剰半月紋の発現は不完全優性である.
5. 致死性を有せず, 雌雄生殖器官, 翅などの異常を伴なわない.
6. EH 遺伝子との間に0.32±0.09%の組換え率が得られた.
7. EN 遺伝子とのトランス型は EDl hetero にもかかわらず第1腹肢を欠如したので, EN と共通の site を有するものと推察される.
8. E部位における遺伝子の配列を考察すると, EH•EN•EDl•ECa•EKp•ENc•EGd の順になり, EDlEHECa にまたがる ETc site における小さな site の変化によるものと推定される.
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