ゲノムの産物であるタンパク質のアミノ酸配列から、生体内においてそのタンパク質がはたしている機能を推定するために配列の類似性が利用される。すなわち、機能がすでに明らかにされているタンパク質とアミノ酸配列を比較して、配列の類似性が認められると機能の類似性が推定される。その際、アミノ酸配列の全領域にわたって既知タンパク質の配列と類似性を示す場合にはそのタンパク質と同じか類似ファミリーに属するものと推定できるが、機能を推定しようとする配列がいくつかの機能を異にする既知タンパク質の配列と局所的な類似性しか示さない場合には、その機能を特定することが難しい。それは、タンパク質の機能をより小さな機能へと分割することが一般に困難であるからである。本研究ではタンパク質の機能のうち、種々の化学物質の化学構造を識別する機能に着目すれば、より小さな機能へと分割することや配列と機能との関係を解析することが可能になることを示す。