損害保険研究
Online ISSN : 2434-060X
Print ISSN : 0287-6337
<研究ノート>
コンビニエンスストアにおける転倒事故についての一考察
—コンビニエンスストアの賠償リスクの一側面—
鎌田 浩
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2015 年 77 巻 3 号 p. 19-43

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抄録

 コンビニエンスストアは,食品・日用品等の販売,ATM,宅配便の集荷,公共料金の支払,通販商品の受け取り等の各種サービスの他,防犯・防災や高齢者見守りの場といった社会インフラやセーフステーションとしての役割も有している。また,24時間365日営業をしている店舗には老若男女を問わず不特定多数の者が出入りし,「社会的空間」と呼ぶにふさわしい場を提供する一方で,来店客の利用行動に応じた「賠償リスク」がそこには見出される。そこでコンビニエンスストアの店舗構造・管理の特性から,特に同一平面における転倒事故に注目した。転倒を生じる「転倒の3要因」から転倒のメカニズムを解析し,過去の判例からコンビニエンスストアの賠償責任の認否を検討した。店舗内の構造・管理に起因する原因を分析し,店舗としての転倒予防の対策を進めることが課題である。

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