損害保険研究
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<論文>
車両の損傷事故・盗難事故において裁判所が求める立証事実
岡田 豊基
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2018 年 80 巻 1 号 p. 1-31

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抄録

車両保険において,車両の損傷事故・盗難事故の立証に関しては,間接事実の積み重ねで判断するほかはなく,ⅰ事故の客観的状況,ⅱ被保険者等の事故発生前後の行動,ⅲ被保険者等の属性・動機等,ⅳ保険契約に関する事情に大別して,主要な下級審判決を概観し,立証すべき事実について検討した。

立証事実として,損傷事故においては,ⅰについて,車両の状況・損傷,現場の状況等が,ⅱについて,事故発見時の状況,被保険者・関係者の供述等が,ⅲについて,事故歴・保険金の受領歴,経済状況等が,ⅳについて,保険契約の内容等がある。盗難事故においては,ⅰについて,盗難の状況,事故現場の状況,鍵の保管状況等が,ⅱについて,供述の信用性,被保険者等の供述,被保険者等の行動等が,ⅲについて,事故当時の経済状況,偽装経験・保険金受領の有無,偽装動機等が,ⅳについて,保険契約の内容等がある。

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