抄録
近年,訪日外国人観光客の増加により,大都市以外の地方の自然が豊かなエリアにもオーバーツーリズムが生じている.一方,国は,自然環境の保全と観光の振興の両立を実現するための手段となりうるものとして,2007年エコツーリズム推進法を制定している.本研究では,エコツーリズム推進法が推進するエコツーリズムとは,ツアーの提供者・参加者双方にとってどのようなものかを富士山青木ヶ原樹海等地域を事例とし検証した.その結果,当該地域でエコツアーガイドが提供しようとしている価値は,自然の楽しみ方(エンターテインメント)やゲストのリスクマネジメント,自然環境学習を通じた環境保全に対する知識付与や当該地域の自然の魅力の伝達に加え,哲学的な問いの投げかけであることが明らかとなった.また,参加したゲストもガイドの伝えたかったことや意図を受け止めていることが確認された.