グロービス経営大学院紀要
Online ISSN : 2758-4046
最新号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 岩松 俊介, 坪井 陽平, 嶋村 基一, 喜多 孝行, 谷口 夏子, 難波 美帆
    2024 年3 巻 p. 1-11
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    高齢者による自動車事故防止策の一つに,運転免許の返納制度がある.近年,高齢者の免許返納率は増加しているが,「生活が不便になる」との懸念から返納をためらう人もいる.本研究では,65歳以上の免許返納者を対象にWebアンケートを実施し,返納前に抱く「返納後の生活の不便さ」の印象が「返納後の実態」よりも不便に捉えられているかを調査した.その結果,返納前に抱く印象と返納後の実態に大きな違いはなく,実態よりも悪い印象を持っていた返納者が少ないことが明らかになった.さらに,多くの返納者が返納後の実態は返納前に抱く印象と同程度かそれよりも悪いと回答しており,返納後の生活の利便性向上に向けた施策が必要であることが示唆された.また,返納前の運転頻度や徒歩圏内の公共交通の有無が,印象と実態のギャップに影響する可能性があることも明らかになった.
  • 日本企業のナイジェリアを中心とした西アフリカ進出事例
    上原 謙, 大山 永展, 黒崎 雅恵, 南 俊輔, 河尻 陽一郎
    2024 年3 巻 p. 104-118
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    少子高齢化により国内市場の縮小が進む日本企業にとって, 長期的な人口増加が見込まれるサブサハラアフリカへの進出戦略を検討することは今後より一層重要になると考えられる.本稿ではナイジェリアを中心とした西アフリカに直接輸出をしている日本企業担当者に半構造化インタビューを実施した.その分析結果から,今回インタビューした日本企業の共通事項として,現地での販売実績があるパートナーを選定し,現地情報に精通した現地従業員を積極的に雇用していることが確認された.この2点は進出リスクが高いサブサハラアフリカへの直接輸出において重要かつ不可欠な可能性が示唆された.
  • 日本で働く社会人を対象としたキャリアアンケート調査から
    米良 克美
    2024 年3 巻 p. 119-125
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    キャリア構築を考える上で副業や転職は1つのオプションになりえる.しかし,この副業や転職によるキャリア形成が,働く人々の主観的幸福度にどのような影響を与えるかについては未だ不明な部分も多い.そこで本研究では,副業および転職が主観的幸福度に与える影響を明らかにすることを目的とし,社会人を対象としたアンケート調査を行った.はじめに,副業について調べたところ,副業をしていない群の主観的幸福度に比較して,副業をしている群の主観的幸福度は有意な低値を示した.また,副業理由に関しては,「社会に貢献するため」と回答した副業者のみが,副業していない群よりも高い主観的幸福度を示し,その他の副業理由を回答した副業者においては低い主観的幸福度を示した.次に,転職と主観的幸福度およびキャリア満足度との関係について評価した.その結果,転職回数が増えるにしたがって主観的幸福度およびキャリア満足度が低下することが明らかになった.特に,会社や仕事内容,職場の人間関係に対する不満を理由に転職をしたと回答した群では主観的幸福度およびキャリア満足度が低かった.本知見は,副業や転職を含め幸せな働き方を考えるための一助になるものと考えられた.
  • 都市部在住ボランティア参加者を対象に
    足立 るみの, 田中 英輝, 加藤 邦仁, 山口 英樹, 栗本 典子, 難波 美帆
    2024 年3 巻 p. 12-22
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    高齢者の閉じこもりは,虚弱の健康問題を引き起こす原因になるということがわかってきている.閉じこもりは,地方部では約15%程度,都市部では約7%発生している.本研究では,閉じこもりの要因のうち,社会・環境的要因である交通環境の影響に着目し,その介入方法の検討へ繋げることを目的に,交通環境が発達している都市部のうち世田谷区において,週2日以上外出習慣があり,ボランティアに参加している65歳以上の高齢者を対象にボランティア活動へ参加する際の移動実態を調査した. その結果として,外出頻度が週2~3日である閉じこもり予備群のうち73%もの人がボランティア目的の外出を週2~3日行っており,高齢者の外出に対して,ボランティアという社会接触は重要な動機と言える.「外出頻度」「ボランティア活動のやりがい」「移動の困難さ」の関係においては,やりがいの有無よりも移動の困難さがないことがボランティア参加に繋がると考えられる.
  • 対話データ分析による質的研究
    堀本 剛史, 鈴木 ゆかり, 加藤 直子, 平林 准, 江草 典政, 岡 重文
    2024 年3 巻 p. 23-34
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    対話において“想像を超える気づき”が発生するという現象について分析し,その構造について対話データを質的に分析する事により検証した.具体的には被験者に対してインタビューを実施し,その結果についてアンケートを実施する事で質的データと量的データを照合することによって検証を試みた.検証の結果,想像を超える気づきにはテーマの明瞭性の獲得や,腑に落ちる感覚の獲得が重要であることが確認された.またそのような気づきが生じる対話の構造は3つのステップ(①ベースの確立,②視点の提供,③振り返り・再構成)で構成されていることが明らかとなった.そしてその構造の発生の様式は,1対1の対話,複数人の対話の場合で異なる可能性があることも示唆された.
  • 松原 成希, 大谷 雅人, 高井 宗, 立石 崇晴, 村瀬 承彦, 難波 美帆
    2024 年3 巻 p. 35-44
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    生活に自動車が必要とされる地方都市において,運転が困難となる交通弱者や高齢者の生活を維持するため,代替交通が研究されている.近年,デマンド型乗合タクシーは様々な地域で実験的に導入されているが,高齢者の利用は進んでいない.本研究では,高齢者にとって何がデマンド型乗合タクシー利用の阻害要因になっているかを明らかにする.愛知県豊田市上郷地区の「チョイソコにこにこバス」登録者を対象にアンケート調査を実施し,どのような点を不便に感じているか,改善してほしいと思っているかを調査した.また,利用者の利用状況や他サービスとの比較をして,デマンド型乗合タクシー利用普及の課題について考察した.
  • 小保方 直行, 梅津 沙織, 小林 匠, 正田 省二, 植田 恭輔, 川上 裕義
    2024 年3 巻 p. 45-63
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    企業の競争力の源泉が有形資産から無形資産へと移行する中,不確実性の高い無形資産投資における資金調達の重要性が増している.本研究は,無形資産投資により企業価値を大きく向上させたネットフリックス(Netflix)を対象に,その調達手段として社債発行を選択した意思決定についてケーススタディ・アプローチから分析を行った.財務破綻リスクと節税効果のトレードオフ並びに,経営者・投資家間での情報の非対称性の観点から,意思決定についての2つの仮説を立て検証した結果,何れも成立していることが確認された.本検証結果は,無形資産投資を実現する為の資金調達手段の選択が伝統的なファイナンス理論に則っていることを示すと同時に,これらの理論についての経営者の理解と,投資家とのコミュニケーションが重要であることを明らかにしたものである.
  • 富士山青木ヶ原樹海等地域を事例に
    田中 久玲阿, 吾妻 直彦, 有原 奈都子, 大田 哲也, 難波 美帆
    2024 年3 巻 p. 64-74
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,訪日外国人観光客の増加により,大都市以外の地方の自然が豊かなエリアにもオーバーツーリズムが生じている.一方,国は,自然環境の保全と観光の振興の両立を実現するための手段となりうるものとして,2007年エコツーリズム推進法を制定している.本研究では,エコツーリズム推進法が推進するエコツーリズムとは,ツアーの提供者・参加者双方にとってどのようなものかを富士山青木ヶ原樹海等地域を事例とし検証した.その結果,当該地域でエコツアーガイドが提供しようとしている価値は,自然の楽しみ方(エンターテインメント)やゲストのリスクマネジメント,自然環境学習を通じた環境保全に対する知識付与や当該地域の自然の魅力の伝達に加え,哲学的な問いの投げかけであることが明らかとなった.また,参加したゲストもガイドの伝えたかったことや意図を受け止めていることが確認された.
  • 松永 正樹
    2024 年3 巻 p. 75-84
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿は,「0→1」と呼ばれる新規事業創造プロセスの初期段階での,生成AI技術の活用可能性について論じる.特定の業務における効率化に焦点を絞って生成AIの応用法を検討することが多い従来の研究をふまえつつ,本稿は新たな視点を提供する.そのために,本稿では,まず「0→1」プロセスの特色と課題を明らかにし,次に生成AIの技術的動向を概観する.そのうえで,事業創造において重要な鍵となるトランザクティブ・メモリー及び創業メンバーのコミュニケーションスキルを強化するための生成AI活用策を提案する.加えて,これらの検討にもとづき,生成AI技術の活用可能性を判別するための指標として「べき分布」に着目した考察を試みる.
  • 柤野 太希, 齋藤 暁, 岩本 淳, 伊藤 早恵, 小川 智子
    2024 年3 巻 p. 85-93
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    アート思考は,自ら常識や価値観を疑いながら問いをたて,革新的なアイデアを生み出す手法として注目されている.本研究では,大企業がアート思考を採用検討する際の示唆を得るため,アート思考を実践する大企業を対象に実態を調査した.その結果,アート思考は,主に事業の初期段階での斬新なアイデア創出や,中長期の企画検討時に実践されていることが明らかになった.また,アート思考の実践には,「オーナーシップ」「ボトムアップ」を重視する組織文化の醸成と,それを推進するマネジメントの役割が重要であることが示唆された.さらに,副次的効果として,個人のモチベーション向上や組織のナレッジ増加が確認された.
  • TISにおける職場施策の事例
    関根 彰彦, 辻 雄基, 豊岡 瑛子, 萩原 亜由, 深津 博樹, 竹内 秀太郎
    2024 年3 巻 p. 94-103
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本稿では,TIS株式会社のクレジットSaaSビジネスユニットが1年間で「働きがい(総合)」のスコアを42%から74%まで向上させた事例を調査した.当該組織の取り組みをIPOモデルの観点から調査 したところ,プロセスにおける心理的安全性の向上(感情),メンバー同士の連携促進(行動),業務遂行手順などに関する共通認識の形成(認知)が確認され,結果として品質向上とコスト削減が実現していた.さらに,リーダーがチームの業績と心理的安全性 の双方に拘りを持つことで,やりがいや成長を感じられる職場となったことが示唆された.
  • 2024 年3 巻 p. Cover1-
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 2024 年3 巻 p. Cover2-
    発行日: 2024/10/31
    公開日: 2024/11/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
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