近年,職場におけるコンパッションの醸成が注目されているものの,具体的な実践方法は十分に確立されていない.本研究は,職場で活用が広がる自己診断ツールに着目し,その活用実態と,職場のコンパッション醸成を含む効果及び弊害への影響について調査した.調査の結果,自己診断ツールはチームビルディングやコミュニケーションの促進に寄与し,職場のコンパッション醸成にも一定の効果をもたらすことが確認された.一方で,診断結果に起因するレッテル貼りによる人間関係の固定化や,信頼性に対する疑問など,心理的・倫理的な懸念も明らかとなった.これらを踏まえ,本研究では,自己診断ツールの適切な活用を支援し,弊害を最小限に抑えるための行動モデルを策定した.