痛風と核酸代謝
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原著 1
高尿酸血症合併高血圧患者における高尿酸血症の慣習的病型分類の有用性について
大田 祐子土橋 卓也清原 嘉奈子
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2012 年 36 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

高尿酸血症の病態を把握し,合理的に治療を行うために病型分類を行うことは重要であるが,外来における24時間法や60分法による評価の実施は容易ではない.また簡便法としての随時尿中尿酸/クレアチニン(UUA/UCr)比の有用性についても明確なエビデンスはない.今回,利尿薬または尿酸降下薬服用者を除いた高尿酸血症合併高血圧入院患者9名を対象に60分法,24時間法,随時尿中UUA/UCr比により尿酸動態を評価し,高尿酸血症の病型分類について比較検討した.60分法では混合型はおらず,77.8%が尿酸排泄低下型,22.2%が尿酸産生過剰型と判定された.また24時間法にて尿酸産生過剰型はおらず,88.9%が尿酸排泄低下型,11.1%が混合型と判定された.一方,随時尿中UUA/UCr比での評価では,UUA/UCr比0.5をカットオフ値とした場合66.7%が尿酸排泄低下型,33.3%が尿酸産生過剰型,0.6をカットオフ値とした場合88.9%が尿酸排泄低下型,11.1%が尿酸産生過剰型,0.7をカットオフ値とした場合100%が尿酸排泄低下型と判定された.60分法と24時間法に基づく病型分類の一致率は66.7%であった.随時尿UUA/UCr比0.5,0.6,0.7をそれぞれカットオフ値とした場合,60分法との病型分類の一致率は66.7%,66.7%,77.8%であった.高尿酸血症合併高血圧患者において随時尿中UUA/UCr比に基づく病型分類も有用な可能性があると思われた.

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© 2012 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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