プリン・ピリミジン代謝
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Allopurinolによると思われる骨髄抑制をきたした慢性腎不全の1例
田部 晃林 知子市田 公美細谷 龍男酒井 紀
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1992 年 16 巻 1 号 p. 23-30

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抄録
今回我々はallopurinolにより骨髄抑制をきたしたと思われる1例を経験した.症例は慢性腎不全非透析の患者でallopurinol使用前より白血球,血小板の減少傾向,貧血を認めていた.またallopurinol及びoxipurinolの血中濃度は高値を示しておらず,allopurinol,oxipurinolに対するLSTも陰性であった.しかし本症例はG-CSFなどの治療により不完全寛解の状態に復し,救命し得た.Allopurinolによる血液学的副作用として顆粒球減少症や無頼粒球症の報告はみられるが,骨髄抑制の報告は少ない.我々は以前にも慢性腎不全非透析症例で,allopurinol使用前より血球減少傾向のある症例にallopurinolを使用し,汎血球減少症をきたした症例を経験しており,血球減少傾向のある慢性腎不全症例に対するallopurinolの使用は慎重でなければならないと考え報告した.
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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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