日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
有機多硫化物の研究
(第9報) 有機二硫化化合物の交換反応にいつて
箕浦 有二
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1959 年 32 巻 4 号 p. 251-255

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抄録

ジベンジルジズルフィドとジトリルジズルフィドの共融曲線, ジベンジルジズルフィドとトリルメルカプタンの共融曲線を求め, 両者ともモル混合比が等モルの点において極大値を示すことを明らかにした. このことよりジズルフィド間及びジズルフィドとメルカブタンの間に次のような交換反応が起ると考えた. 即ち
_??_-CH2-S-S-CH2-_??_+CH3-_??_-S-S-_??_-CH3→2 _??_-CH2-S-S-_??_-CH3
_??_-CH2-S-S-CH2-_??_+CH3-_??_-SH→_??_-CH2-S-S-_??_-CH3+_??_-CH2SH
なお, ジトリル, モノ-, ジ-, トリ-およびテトラズルフィドとチオグリコール間を反応させ, ジ-, トリ-およびテトラズルフィトはトリルメルカプタンになることを確かめた. しかしモノズルフィドは変化しなかった. このことはジ-, トリ-およびテトラズフィドとメルカプタンの間に上のような交換反応が起ることを示している.

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