日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
液状多硫化物「ポリチオジグリコール」の応用に関する研究
鍋田 敏一石原 興大北 忠男
著者情報
ジャーナル フリー

1971 年 44 巻 12 号 p. 1010-1014

詳細
抄録

新しい液状多硫化ゴムシーラントを開発する目的で研究を行なった.
在来の液状多硫化ゴム (チオコール) の代わりに末端が水酸基である液状多硫化物ポリチオジグリコールを合成し, エポキシ樹脂中間体との混用において, 同合成物の重合度と接着強さおよびかたさとの関係を検討した.また, 在来の液状多硫化ゴム (チオコールLP-2) との比較をいくつかの物理性に関し行なった.その結果, ポリチオジグリコールの重合度により引張接着強さが相当異なることがわかった.これをチオコールLP-2とエポキシ樹脂中間体併用硬化物と比べると, 引張接着強さなど, わずかに劣るが類似挙動を示し, またこれら併用硬化物にフェノール樹脂を添加したものは, 引張接着強さなどが向上した.ただし, 弾性シーラントの素材として使うには, 伸張率が小さい為, 他の用途たとえば, エポキシ樹脂の可塑剤などに振り向けるべきと思う.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本ゴム協会
前の記事 次の記事
feedback
Top