日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
充てん剤配合軟質PVCの架橋とその性質
森 邦夫中村 儀郎新井 明徳
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1977 年 50 巻 12 号 p. 815-820

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抄録

2-ジブチルアミノ-4,6-ジチオール-S-トリアジンによる充てん剤配合架橋軟質PVCの製造条件と, その機械的及び熱的性質に及ぼす充てん剤と架橋度の影響を検討した.
架橋物の最適製造条件は練りが165°Cで5~10分, 架橋が180°C, 30分と考えた.
架橋物の引張強さと伸びは充てん剤の量と種類, 架橋度, 可塑剤の種類及びPVCの重合度の影響を受けたが架橋物における充てん剤の補強効果はほとんど認められなかった. しかし, 充てん剤の添加により引張強さと伸びの架橋度依存性が緩和され, 充てん剤の添加効果は認められた.
圧縮永久ひずみは架橋によって改良されるが, 充てん剤の添加によってはほとんど改良されなかった.
加熱後伸び, ゼロ強度温度のような熱的性質は架橋と充てん剤添加により改良される. 特に, ゼロ強度温度については両者の相乗効果が大きかった.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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