日本ゴム協会誌
Print ISSN : 0029-022X
タイヤのスキールノイズに関する研究
酒井 秀男
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1994 年 67 巻 2 号 p. 151-158

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抄録

省エネルギーの観点から転がり抵抗の小さいタイヤが求められている. しかし転がり抵抗を小さくすると, 急激なコーナリング時やブレーキ時に発生するスキールノイズが出やすくなるといわれている.そこで, タイヤのスキールノイズの発生を小さくする目的から, コーナリング時に発生するスキールノイズの特性について, 理論と実験の両面から解析を行った. この研究で得られた主な結果は次のとおりである.
(1) スキールノイズの発生速度は, 走行速度の変化の如何にかかわらず, 横滑り速度にして0.8~1.0m/sである. (2) スキールノイズの発生のしやすさは, 横力係数とスキールノイズ音圧の関係において, スキールノイズ音圧が急激に増加するときの横力係数で比較することができる.(3) 次の場合にはスキールノイズが発生しやすくなる. 速度が大きくなった場合, 荷重が大きくなった場合, 内圧が低くなった場合, 溝深さが深くなった場合, 温度が高くなった場合. (4) トレッドゴムを変えた転がり抵抗の小さいタイヤは, 一般タイヤに比べてスキールノイズが発生しやすく, その差は荷重の約10%増加に相当した.

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© 一般社団法人 日本ゴム協会
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