日本草地学会誌
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草類の可溶性炭水化物の生理化学的研究 : 第2報 越冬および早春期におけるオーチャードグラス貯蔵炭水化物の経時的変化
菅原 和夫伊沢 健
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1974 年 20 巻 4 号 p. 199-204

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抄録
1年生及び3年生草地のオーチャードグラスの,葉鞘ならびに根部に含まれる貯蔵フラクトサンの,越冬期と早春期における量的・質的変化を調べた。1)早春の貯蔵フラクトサンの分解による各重合度のフラクトサン組成の変動は,秋期に刈取りによっておこした人為的分解と,基本的には同じ形であった。2)葉鞘,根部のフラクトサン含有率は,1,3年生草地のものとも,春の生長のはじまる4月に入ると激減するが,1年生が3年生のものより早い時期から減少がおこっている。3)フラクトサン含有率のほとんど変化しない3月末までは,各重合度のフラクトサン組成は殆んど変化しなかったが,含有率の低下した4月に入ると急に高重合度のものが少くなる。この変化は1年生のものは3年生のものより早く,また葉鞘では根部より早く生ずる。
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© 1974 著者
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