日本草地学会誌
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暖地傾斜地の草生改良に関する研究 : 第10報 牛糞と鶏糞を用いた牧草種子ペレットの効果
矢野 明
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1974 年 20 巻 4 号 p. 217-221

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抄録
1.乳牛糞と鶏糞を使い,イタリアンライグラス種子のペレットを造った。これを傾斜草地の造成に用い,播種と施肥の省力化をして,糞を土地に還元することを現地試験で実証した。2.材料の混合割合は,乾燥した牛糞と鶏糞それぞれ7kgに対し,イタリアンライグラス種子50gとした。これに牛糞は5,000cc,鶏糞は2,000ccの水を加えて粘り,チョッパーで造形した。3.このペレットを新規造成した傾斜地に播き,実用性を検討したところ,鶏糞ペレット倍量下播区が,草生密度,乾草収量,地上部の三要素含量ともに他区より優れた。また鶏糞の混合量は,イタリアンライグラス種子50gに対し,7kg以上を用いてもペレットとしては無意味である。4.ペレットは乾燥して軽いので,生糞よりも取扱いし易く,傾斜地でも容易に運搬施用できるので,糞の土地還元と牧草播種が省力的に実施できる。
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© 1974 著者
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