抄録
N_2OからN_2への還元反応をアセチレンガスによりブロックすることにより,脱窒するすべての窒素量をN_2Oとして捕捉する方法を用い,耕地土壌からの脱窒におよぼす2,3の環境要因の影響について調査した。その結果,下記のことが明らかとなった。1. N_2OからN_2への還元を制御するのに必要な最適アセチレン濃度は5%であり,その濃度のアセチレンは土壌微生物の活性にほとんど影響しないことがCO_2発生量により確められた。2.土壌からの脱窒量は土壌水分含量によって著しく影響され,最大容水量の50%未満では脱窒が生じないが最大容水量の95%以上では培養期間中に土壌中の全窒素の62%が脱窒した。3.土壌に形態の異なる窒素化合物を添加して脱窒量を調査したところ,硫安および尿素添加区では脱窒が生じないのに対し,硝酸および亜硝酸添加区では顕著に脱窒が生じ,また,脱窒速度は硝酸に比べて亜硝酸の添加の方が早かった。4.土壌からの脱窒量は添加する硝酸量の増加に伴って増加したが土壌中の硝酸態窒素量に対する脱窒量の割合で示される脱窒率は73〜82%の範囲内にあり,添加量に関係なくほぼ一定の値を示した。5.土壌に施用した硝酸態窒素からの脱窒量は牧草粉末やグルコースの添加により増加し,脱窒速度を早めた。6.脱窒量は土壌pHの上昇に伴って増加し,pH 8の脱窒量はpH 5のものの約3.5倍であった。