抄録
ロールベールサイレージ体系における収穫作業技術をシミュレーション評価するため,スーダングラスの圃場予乾データをもとに牧草類の刈取り後の乾燥過程を予測するモデルを構築した。圃場乾燥における気象要因の寄与率は,ペンマン式で求めた積算蒸発散位が最も高かったので,それを独立変数とする指数曲線で近似し,その定数を乾燥係数と定義した。乾燥係数を支配する要因として,草量,稈の太さ,機械処理の有無および予乾作業方法を選択し,乾燥係数をモデル化した。モデルによる乾燥係数の推定値と実作業データの乾燥係数との原点を通る回帰係数は0.964,相関係数は0.587であった。圃場での乾燥過程は,乾燥係数と初期水分で一義的に規定され,日射量,気温,湿度および風速の時間データから含水率50%前後までリアルタイムで予測することが可能となった。