日本草地学会誌
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チモシー(Phleum pratense L.)採草地の早刈り管理法 : 2.早刈りがチモシー・シロクローバ(Trifolium repens L.)混播草地の草種構成,乾物収量および可消化養分総量に及ぼす影響
木曾 誠二能代 昌雄
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1997 年 43 巻 3 号 p. 258-265

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抄録
チモシー(TY)・シロクローバ(WC)混播採草地で良好な草種構成を維持しつつ,可消化養分総量(TON)65%以上の高栄養牧草を安定生産する早刈り管理法を確立するため,1番草の適切な刈取り時期と2番草以降の刈取り管理について検討した。TY・WC混播採草地を早刈りすると,TON含有率は66-69%で年2回出穂期刈りの63%より高まった。しかし,早刈りをすると,WCの優占さらに乾物収量やTY茎数の低下などの問題点が示された。ただし,これらの問題は,2番草の生育期間を出穂期刈りより長めに設定することと,早刈りを2年以上継続させないことでほぼ回避された。以上から,根釧地方におけるTY・WC混播採草地の早刈り管理法として,1番草はTYの穂孕期-出穂始期に刈取り,2番草の生育期間は55-60日程度とし,3番草の刈取りは原則として実施しないことが適当と考えられた。なお,草種構成を良好に維持するため,早刈りした翌年は出穂期刈りに戻すことが重要である。
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© 1997 著者
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