日本草地学会誌
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ギニアグラス(Panicum maximum Jacq.)とグリーンパニック(P.maximum Jacq.var.trichoglume Eyles)の出穂期における分げつ構成と乾物生産
福山 喜一伊藤 浩司
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1999 年 45 巻 3 号 p. 278-284

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抄録

南九州で夏期の生育期間中に常時出穗する,隣地型イネ科牧草ギニアグラスの品種ナツカゼ(GN)と変種グリーンパニック(GG)を供試し,両草種の出穗後の乾物増加の相違を分げつ構成,特に出穗茎数と出穗茎の発達段階の動態の面から検討した。1. 総茎数,出穗茎数ともにGGの方が多かったが,両草種とも出穂後の茎数増加は主として高節位分げつ数の増加によるものであり,低節位分げつ数はほとんど増加しなかった。2. 両草種とも,出穗後日数の経過に伴って出穗茎の止葉までの総節数(総展開葉数)は減少したが,その減少はGGの方が大きかった。3. 低節位分げつの出穗茎の1茎車を総展開葉数別に比較すると,両草種とも,葉数が少ない出穗茎ほど1茎重も小さくなったが,その低下の傾向と出穗茎の穂の発達段階に伴う1茎重の変化の傾向には草種間に大きな差はみられなった。4. 以上のことからGNに比べ,GGの方が出穗後の乾物重増加が小さくなるのは,出穂後日数の経過に伴って出穗茎の総展開葉数の減少が大きくなり,1茎重の小さい出穂茎が多く出現することよると推察された。

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© 1999 著者
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