栃木県北部酪農地帯の景観評価を地区酪農家10戸と地区外住民1,000名にアンケート調査し,それそれ7戸,532名から回答を得た。数量化II類による解析の結果,両住民の景観を良好または不良とする評価に働く要素・カテゴリは類似したが,評価に作用する要素の順位およびカテゴリヘの重きの置き方は異なった。地区酪農家は生産活動や生活の身近さに関わる景観要素を強く意識し,評価の第一の基準にした。即ち,放置された家畜の糞尿堆肥や壊れた農機具,雑草などの存在は景観を強く不良と評価した。一方,地区外住民は酪農地帯に抱くイメージに関する要素を評価の基準にした。広がり感などイメージに一致する景観を特に良好と評価した。