2013 年 59 巻 3 号 p. 175-183
リモートセンシングによる採草地の生産管理支援システムの構築を目的とし,AISA Eagleから取得したハイパースペクトルデータ(HSD)を用いて,現存量と草種構成の把握について検討した。HSDに主成分分析を適用し,HSDに含まれるデータを集約・抽出した結果,近赤外域のスペクトル特性が強く示された。また,HSDに基づいたクラスター分析によってグループ化されたグループAでは,第一主成分得点が特に高く,エゾノギシギシの繁茂が観察された。このことから,HSDから第一主成分得点を算出することで雑草の侵入や繁茂の状況を把握できる可能性が示された。さらに,550nm, 666nm, 774nmのHSDおよび第一主成分得点から線形判別関数を求めることで,エゾノギシギシの現存量を3段階に判別することができた(正判別率69%以上)。