抄録
2010年11月-2011年6月(2010/2011)および2011年11月-2012年6月に(2011/2012),畜産草地研究所(栃木県那須塩原市)で圃場試験を実施し,オオムギ8品種系統,すなわち,食用4品種,兼用利用2系統および飼料用2品種の出穂および糊熟期の生育特性と飼料価値を明らかにした。供試品種・系統の中でもっとも早く出穂したものともっとも遅く出穂したものは飼料用品種であり,両品種の出穂開始日の差は,2010/2011で10日,2011/2012で7日であった。乾物収量はいずれの供試品種・系統も多収であり有意な差は認められなかった。また,CP含有量にも有意な品種・系統間差は認められなかった。ADF, NDFおよびTDN含有量には有意な品種間差が認められた。ADF含有量は21.4~38.4%であり低い値となり,とくに,兼用利用2系統で低かった。TDN含有量は65.5~70.7%であり高い値となった。CP, ADF, NDFおよびTDN含有量は,茎葉重量の影響を受けることが示され,ADF, NDFおよびTDN含有量と高い有意な相関がある稈長と穂重割合は,飼料品質を判定する基準になりうることが示唆された。供試した食用品種および兼用利用系統は,概ね飼料用品種の中間に出穂し収穫作業労力の配分が可能になるため,また,収量と飼料価値は飼料用品種に匹敵するため,北関東地域における飼料イネと組み合わせる二毛作体系に導入できる有望なものであることが示された。