2012年春から岩手県内の牧草地においてイネ科牧草4草種および植生中の放射性セシウム(RCs)濃度を調べ,RCs濃度の草種間差および草地植生中RCs濃度の経年変化について移行係数を含め検討した。2012年には,ケンタッキーブルーグラスとレッドトップのRCs濃度が有意に高かったが,2013年以降差がみられなくなった。一方,2014年移行はトールフェスクのRCs濃度が有意に低い傾向がみられた。25ヶ所で刈取った植生中RCs濃度および移行係数は年々減少傾向にあった。2014年秋の移行係数は0.45であり,IAEAが報告している混播牧草地での移行係数の平均値である0.25をまだ上回っていた。また,算定した移行係数から回帰式により求めた予測では,2015年には0.25を下回ることが予想された。