地理学評論 Series A
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さいたま市におけるスマートシティ政策を通した次世代自動車の普及
本多 広樹
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2017 年 90 巻 6 号 p. 590-606

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抄録

本稿では,さいたま市における次世代自動車の活用に着目し,スマートシティ政策の下での技術イノベーションとしての次世代自動車の普及要因を解明することを目的とした.そして,行政や企業・団体,個人を対象に,実際のユーザーの視点から,次世代自動車の活用方法や主体間関係が普及に与える影響を考察した.さいたま市は,他の都市に先駆けて次世代自動車の活用に着目した.当初は行政や一部の企業のみが次世代自動車を活用していたが,時間の経過とともにその数は増加した.その際には,従来の経済的メリットに限らず,環境性能や自動車としての性能,生活の利便性向上といった新たな視点が契機となった.さらに,他の主体から影響を受けていた主体が,別の主体に影響を与えるように変化した場合もあった.結果として,さまざまな活用方法や主体間の相互作用を通した,次世代自動車を活用する主体の増加が,さいたま市における次世代自動車の普及に繋がった.

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© 2017 公益社団法人日本地理学会
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