抄録
市町村別の都市指数(總有業人口中の都市的有業人口の割合)は從來地方的の經濟構造を研究するに用ひられて來たが,筆者は之を廣く全日本的に見て,其の内部に於ける經濟發達の地方的差異を示すものとして使用せんとした。都市指數は農業の商品生産的發達,專業化,それに件ふ商業の發展或は工業の發生に係つて,即ち分業の進行に伴つて増大するもので,その程度は中心都市と商圏内の農村と云ふ地方的構成を超えて,その農村共通の指數の全國的差異に反映すると考へられる。
その結果内地全體の構成は,近畿地方を中心として都市指數高い地帶があり周圍に向つて漸次指數が低下するもので,之に依つて内地を核心地域,漸移地帶I,漸移地帶II,縁邊地域に4大別した。北九州,關東地方西部等局部的に高い指數の集團地域が存在するが,全國的分布状態には無關係である。かゝる都市指數の地方的差異は,其の地方の經濟發達段階の差に對應して居り,具體的には地域内に於ける人口飽和の程度に依存してゐると考へる。工業の發生,大都市の成長はかゝる基礎の上に立ち,更に因となり果となつて地方的差異を擴大強調した。
著しい地方工業地域は都市指數の上でも數値の高い集團として明瞭に現れる。山地と平地とを對照すると,山地には二つの型があり資源に富む山地は指數高く,資源に乏しい小起伏山地或は丘陵地では周圍の平地より都市指數がかなり低い。