地理学評論
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ケツペンの気候区分法に対する2~3の私見
福井 英一郎
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1957 年 30 巻 10 号 p. 910-927

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抄録
(1) ケツペンの区分は,植生分布にその基礎をおいているが,これは人間生活と原理的に緊密に結びついているために,応用的見地から重要な価値を有つている.
(2) ケツペンの方法は,長所と同時に多くの短所を有つているが,これは方法自身の欠陥と,これに用いた資料の不完全さに分たれる.
(3) CとDの境界としては,単に最寒月の気温 (K) のみでなく,夏の期間の気温も考えるべきで,最暖月の平均気温が21-Kよりも大きいか,小さいかによつてCまたはDに分つことが考えられる.
(4) DとEの境は,ノルデンシヨルドの与えた式が適当である.
(5) bとcの境は,従来ケツペンの与えた10°以上の月数を, 1つだけ減らした方が適当である.
(6) C気候の中で最寒月の平均気温が, 10°C以上の地域をC'として区別する方が,適当である.
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