地理学評論
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狩野川中・下流域水害地形分類図
大矢 雅彦
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1960 年 33 巻 3 号 p. 156-162

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抄録
狩野川中・下流域水害地形分類図および洪水状況図を空中写真,現地調査および大縮尺の等高線図を利用して作製した.その結果,狩野川台風による洪水の冠水範囲,たん水深の深・浅,たん水期間の長・短,洪水流の方向・速度,土砂の侵蝕・たい積など洪水の型は地形要素によつて決められていることが明らかとななつたので,この地域の洪水型を, (1) 谷底平野型, (2) 自然堤防・後背湿地型, (3) 閉塞盆地型, (4) 狭さく部型, (5) 三角洲型の5つに分類した.また沼津市の狭さく部を境として上流側と下流側では地形要素の組合せに大きな差異があるため,洪水型および規模にいちじるしい差が生じている.これら地形要素ならびにその組合せに対応した洪水型は今回の洪水だけでなく,過去の多くの洪水時においても見られたであろうし,将来破堤氾濫が発生する場合にも見られるはずである.破堤氾濫による洪水型を予測出来る水害地形分類図は治水対策の基礎資料の1つとなりうるであろう.
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