地理学評論
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梅雨前線活動に伴う降水量分布
水越 充治
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1962 年 35 巻 1 号 p. 35-44

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抄録
わが国の大雨は主として熱帯低気圧または梅雨前線の活動によつてひき起されている.中でも梅雨前線活動に伴う大雨は,西目本を中心として広い範囲にしばしば起つている.しかしその発生状況をみると,よく起る場所とそうでない場所とがある.大雨があつた場合の日降水量分布図から“多雨軸”を求め,これを重ね合せて網目をかけ,出現頻度分布図をつくつてみると, a) 九州北・西部,中国西部, b) 近畿中部のように多雨軸の集中する地域と,そうでない地域との違いがはつきりする.この違いが地形的条件との関連で説明できるとの仮説をたて,これを裏付ける幾つかの証拠を集めてみた.たとえば上層大気中の水蒸気量・上層風向風速・気塊の流跡線・大気収斂発散の量などである.以上を検討してみた結果,梅雨前線活動に伴つて降る大雨は,湿潤な南西気流が侵入しやすい地形条件のところでしばしば起ることが認められた.
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