抄録
本調査地域はいわゆる American Manufacturing Belt の中にあり,いろいうな意味で「アメリカ的」な地域である。そこにおける大きな特徴は高度に発達した自動車交通や大規模な都市化であるが1),そのような地域において実際にはいかに機能組織(構成)が地域に反映しているかということを,主として経済機能から考察した.
機能階層分けには, Allen K. Philbrick および筆者によるものを用い2),それにもとづv・て中心地の分布,設営物の種類を指標とした中心地経済機能の分析,サービス圏の実態などを野外調査した。本研究は総合的かつ分析的な地誌を指向する一連の研究の一部をなすものであり,あわせて,アメリカ合衆国の地方都市およびその周辺の地域機能組織 (areal functional organization) の現実の姿を少しでも明らかにしようとするものである.