地理学評論
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日本における風の気候学的特性の2, 3について
吉野 正敏
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1966 年 39 巻 1 号 p. 20-30

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抄録
日本における風の統計値を使って,風速の気候学的特性を種々明らかにした.まず風速の年変化様式については,半旬平均値によって, 5つの型に分類した. i) 山岳型は年変化の最も明瞭な型. ii) 裏日本型は冬の季節風の吹く時期に極大がでる. iii) 岬・島の型はやはり冬に極大がでて,夏の極小と較差は4m/s以上. iv)平地型は較差は2~3m/sで,極大は1月か4月,極小は夏. v)内陸型は年間を通じて大きな変化がない.次に目最大風速の階級別日数につV・て調査した. 1月と4月の10m/s以上になる日数の分布図, 4月の20m/s以上になる日数の分布図,年間の10m/s以上になる日数の分布図などを作ると,海岸が多く,内陸が少ないという対照と,北海道・東北地方北部が多く,九州が少ないという対照とが重なって,等値線はほぼ南西から北東の方向に走る.また,日最大風速の積算曲線をえがいてみると,裏目本型,岬・島型,内陸型などの地点の風の特性をよく表現しうることを示した.最後に,風速日変化の年変化のダイアグラムをえがいてみると,日変化と年変化(季節による差)の大小の関係がはっきりし,内陸の地点では日変化が大きく,海岸や岬・島では日変化と年変化がともに明らか,山岳では日変化が小さくて,年変化が極めて大きいことを示した.
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