抄録
米代川流域の低位段丘砂礫層を用いて,水中堆積した浮石質砂礫の堆積状態を観察し,これを堆積させた水流の状態を解釈することを試みた.まず段丘地形の分布や形態を調べ,これから当時の水流の状態を推測した.ついで段丘砂礫層を観察し,これを粒径や礫種を中心にして5つの層相に分類し,従来の堆積相についての解釈を適用して,これらの層相を解釈した.その結果からみた水流の状態と地形からみたそれとの間に矛盾があることを指摘した.この矛盾は浮石質という水に対して特徴をもつ砂礫の性質を考慮しないために生じたと考えた.それ故,浮石質の特質を考慮した砂礫分析を行ない,その分析にもとついて各層の解釈を行なった.その結果,地形と段丘砂礫層との間に存在した矛盾は解消した.水中に堆積した浮石質砂礫層にあっては砂礫層よりも大きな流速のもとで形成され,石質砂礫層の場合とは異なることが判明した.