抄録
信濃川中流地域は北部フオッサに位置し,第三紀以来地殻変動の活発な地域である.この地域の地質は,いわゆる魚沼層群で,信濃川は魚沼層群の向斜軸に沿って北流する.筆者等は,この地域の段丘面の変位と,地質構造から知られる地殻変動との関係を明らかにし,段丘面形成以後の地殻変動の性質を追究した.その結果,同時代の段丘面については,その変位量が魚沼層群の傾斜に比例して地域的に変化すること,同一場所の各段丘面については,古い高位の段丘面ほど新らしい低位の段丘面よりも変位:量が大であり,支流の段丘面は本流に向かって収れんすることが明らかになった.したがって,段丘面形成以後の地殻変動の様式は,基盤の魚沼層群の地質構造から推定される第三紀以後の地殻変動の様式に類似しており,第三紀以後,場所ごとに特有の強さや方向を保ちつつ地殻変動が継続してきたことが明らかにされた.