抄録
10の指標により,約10年前の1955年頃と現在時の1968年の2時期の間の約10年間の変容過程の定量的分析から神奈川県中・西部の都市圏の地域構造の究明を行なった.指標は大きく分けて地区中心(二次中心)をみるに適したものと,より高次の地域中心(三次中心)をみるに適したものとがあり,またアンケート調査の回答率のよいものとして消費物資の購入,映画観賞,デパート利用が挙げられる.都市圏の構成をみると,平塚・小田原・藤沢・厚木を上位の地域中心とし,その系列のもとに幾つかの地区中心が存在する.なお高次の段階をみる指標では東京・横浜の影響が著しく,変容過程が明白である.なお相模川以東地域と以西地域とでは,大きな差異が認められ,以東地域では都市圏が複雑であり,不安定で競合関係が著しい.その要因として,地域住民の性格,交通の発達,都市形成の歴史性の3点を考えた.