地理学評論
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日本の都市における大気汚染
河村 武
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1972 年 45 巻 3 号 p. 231-245

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抄録

わが国の都市における大気汚染の実態とその変遷,高濃度大気汚染の発生と局地気候との関係などにみられる特徴を地理学の立場から展望した.全国的に見て問題になる主な大気汚染は,ばいじん・硫黄酸化物・オキシダントで,高濃度汚染地域(第1図)は東京・大阪・名古屋など大都市とその周辺地域,瀬戸内沿岸に集中し,次第に広域化している.
過去十数年の間に汚染質・濃度に変遷が見られ,近年は光化学スモッグが新たに発生するようになった.これらの大気汚染の発生には,海岸や盆地など都市の立地している場所の地形条件によって生じる局地気候とくに局地風系・逆転層の影響が大きいので,二,三の実例にもとづきその特色を明らかにした.

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