抄録
南薩台地南縁の海岸(西穎娃~枕崎)を調査して,次の結果を得た.1)この海岸の地形の特徴として,〓波蝕棚の傾斜が急であること,〓波蝕棚のprfileが3段の階段状をなすこと,〓特異な岩礁形態(環状岩礁とそれに囲まれたプール状もしくは入江状の窪地)がみられること・をあげることができる.
2) 上記の特徴をもつ海岸地形の形成には,地質条件が重要な役割を果たすことを明らかにした.
〓の特徴は熔結凝灰岩層の構造に規定されたものであって,このような波蝕棚の形成営力としては,選択的波蝕が主であり,潮間帯付近に働く風化作用の比重は小さい.〓は熔結凝灰岩層の下の非熔結火山砕屑物が波蝕されてcaveが穿たれ, caveの拡大に応じてやがてその天井が陥没して形成されたもので,その形成過程について推論した.
3)諸種の海岸地形の関係と開聞火山噴出物の被覆状態とから,この海岸の地形発達史を編んだ.