抄録
地中温度の年較差が深ざとともに指数関数的に減衰することは周知の事実である.そこで地表面から恒温層までの各層の年較差を積分することにより年間の地中熱交換量を算出した.一方恒温層は地表面温度の年較差で決定され,地表面温度はほぼ接地気温で代表させられるから,結局,地中熱交換量は気温年較差の関数として表わされることになる.ところが同じくらいの温度年較差でも恒温層の深さが異なったり地中熱交換量が違うことが認められる。これは較差の減衰係数に関係してくる地中温度拡散率が土壌の乾濯により異なるためである.本報では,熱収支および水収支の立場から妥当と思われるLangの雨量因子を気候学的な土壌水分の示標とした.この示数を算出し,その4つのグループについて地中熱交換量と気温年較差との回帰式を求めた.結果,土壌水分の違いによる層別化により両者の相関がよくなることがわかった.