地理学評論
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香川県中部海岸における凪現象 (1)—無風回数と平均風速からみた—
作花 典男
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1973 年 46 巻 9 号 p. 605-610

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抄録

香川県中部海岸にみられる7・8月の凪現象を1966年から1970年までの5か年間, 155日の観測値から探ろうとした.
そのため,香川県中部海岸の6地点および高知・岡山の観測記録を収集し, 3時間ごとの無風回数・平均風速と風向などを分析・検討した.その結果,顕著な凪現象の出現する時刻が18時から翌朝の6時までの夜間にみられ,とくに24時, 3時にもっともはっきりしていることが明らかとなった.また,それにともなって風向も北寄りから南寄りに変化する規則性を認めることができ陸風・海風の特性もとらえることができた.とくに,この地域の凪現象は,陸風である南寄りの卓越風が極めて微弱であるために発生することが特徴で,そのため,「朝凪」「夕凪」ではなく,夕凪から朝凪までを連結した「夜凪」現象を呈することが解明できた.

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