地理学評論
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上野盆地における霧の局地気候学的研究
水越 允治奥友 親
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1974 年 47 巻 5 号 p. 313-325

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抄録
盆地気候の一特色である霧について,三重県上野盆地を選んで観測調査を行なった.霧の目視による観測,気温の測定,上野測候所の観測資料のとりまとめなどがおもな内容である.現在までに得られた結果の概要は次の通りである.
(1) 上野盆地の場合,秋から初冬に発生する霧は放射冷却の条件との関連が大きいが,このほかに盆地内の河川の影響を無視することができない.
(2) 霧の発生頻度,発生範囲には地形的条件の差異が影響している.すなわち盆地底の川沿いで発生頻度が大きいこと,高度270m(盆地底との比高140m)以上では霧に覆われることが一般に少ないこと,霧の持続時間が高度の大きいところや地表からの熱供給の多いところでは短い傾向のあることなどがある.
(3) 気温の水平および高度分布にも霧発生時には特色が認められる.以上から一般に盆地の霧は,盆地の地形,放射冷却の条件,大気中の水蒸気量とこれに関連した河川・湖沼の役割りなどの複合した形でその特性が決まると考えられる.
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