地理学評論
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東北日本奥地山村におけるゼンマイ生産の実態とその集落維持的意義
三井田 圭右
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1974 年 47 巻 6 号 p. 370-386

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抄録
高度成長期以降,価値の増大をみせている山形資源としての山菜,とくにゼンマイをとりあげ,その生産の卓越する東北の豪雪地帯にある奥地山村集落を研究対象地域として,その生産の実態とそれらの集落においてもつ意味などについて考察しようとした.
その結果, (1)ゼンマイ生産は,各集落における最も重要な産業であり,おのおのの林野慣行にもとづき,今日の生産活動の中では最も原始的な形態で生産が行なわれている. (2)ゼンマイの産地価格のここ10年間にみられる高騰は,産地住民の所得水準を高め,人口減少の緩慢化など,過疎化に抵抗的な様相を各集落に顕現せしめている.などの諸事実が明らかになった.
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