地理学評論
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丹沢山地の崩壊地における岩屑生産
田中 正央
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1975 年 48 巻 4 号 p. 261-274

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抄録
1923年の関東地震の際に,山崩れによって多くの崩壊地が丹沢山地に生じた.この崩壊地形成後,裸地のままであった崩壊地の一つを調査地として選び,この調査地における岩屑の生産過程と地形変化について, 3年間にわたり観察と種々の計測を行なった.
この調査地では, 1年を周期として岩屑の生産と運搬が行なわれている.すなわち,岩屑は主に冬から春先にかけて崩壊裸地の周縁の側壁から崩落し,崩壊地内の谷底に一時的に貯留され,夏の豪雨により本流へ流出する. 1年間にこの調査地で生産される岩屑量は,約70m3である.
長期間植生が進入しない崩壊地では,突発的な山崩れによって生じた崩壊裸地を核として,定常的に岩屑が崩落して裸地を拡大し,山腹斜面を浸食していくものとみられる.
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